働きたくないのは甘え?|“仕事イヤ期”の正体と静かな逃げ方

「働きたくない」って思った朝のこと
ある朝、布団の中で「もう会社に行きたくない」と思った。いや、正確には「もう何もしたくない」だった。
頭では「サボってるだけ」「社会人なんだから」「みんな我慢してる」とわかってる。でも、体が動かない。
こんな自分はダメだ、甘えてる──そう思ってさらに落ち込む。
にげログでは、こうした「仕事イヤ期」の感情を否定しない。
むしろ、“静かに逃げる”ためのヒントをまとめたいと思う。

もう、だるくて無理
「働きたくない」は誰にでも訪れる
まず前提として、「働きたくない」という感情は誰にでもある。
✅ 原因の一例:
睡眠不足・慢性疲労による身体的な限界
人間関係やハラスメントによる精神的な摩耗
評価や数字ばかり求められることでの自己否定
そもそも仕事そのものが向いていない感覚
このうち、体調やメンタルの限界が原因のケースは非常に多い。
特に「出勤準備だけで涙が出そうになる」ような日は、明確な“サイン”だ。
それを「甘え」と切り捨てて我慢し続けると、ある日ほんとうに動けなくなる。
にげログ的・“静かな逃げ方”のすすめ
ここでは、「逃げてもいいけど、すべてを捨てる必要はない」というスタンスで、“仕事イヤ期”の乗り越え方を紹介したい。
① 一日だけ休む(完全オフ)
- 病欠・有休・半休でもいい
- 予定をすべて空けて「罪悪感ゼロ」の日を確保する
② 心と体を分けて観察する
- 「行きたくない」気持ちの理由を1つずつ言語化する
- 書き出してみると、何に疲れてるのか明確になる
③ 情報を遮断する(デジタルデトックス)
- SNSやチャットからもログアウト
- 他人の“頑張ってる感”は逆効果になることがある
④ 誰かに話す(共感ベース)
- 同僚ではなく、仕事に関係ない人のほうが話しやすい
- 「聞いてもらうだけでスッキリする」効果は大きい
⑤ “逃げ場”を知っておく
- 快活クラブ・ホテルサブスク・カフェ・図書館など、物理的に逃げられる場所をストック
- 「行ける場所がある」と思えるだけでも安心感になる



頭では、もちろんわかってるんだけどね
専門的な視点から見る「働きたくない」状態
精神医学の観点では、「働きたくない」「動けない」という感情の背景に、以下のような状態が潜んでいることがある。
◉ うつ状態(抑うつエピソード)
- 気分の落ち込み/興味の喪失/食欲・睡眠の異常/無力感
◉ 適応障害
- 環境変化への強いストレスにより心身が反応している
- 退職・配置転換・異動直後などに出やすい
◉ バーンアウト(燃え尽き症候群)
- 過剰な努力を続けた結果、意欲が一気に消失する
- 医療・教育・営業など「対人職」で特に多い
「サボりたい」ではなく、「もう動けない」に近い状態になっていたら、
**医療機関の受診を含めた“本格的な休養”**も選択肢に入れるべきだ。
本当に「働きたくない」のか、ひとつずつ整理してみよう
「もう無理」「働きたくない」と思ったとき、心の中はたいていごちゃごちゃしているものです。
何が原因でつらいのか?
それを明確にするだけでも、気持ちはかなりラクになります。
ここでは、にげログ的に推奨する“感情の分解チェック”をご紹介します。
① 身体は動く?寝起き・移動・食事はできてる?
まず確認してほしいのは、体がちゃんと動くかどうか。
- 朝、ベッドから起き上がるのが異常につらい
- 食欲がない/食事が面倒/眠れない or 寝すぎる
- お風呂すら入れない、頭がまわらない
これらは心ではなく体が限界を訴えているサインかもしれません。
「怠け」ではなく、軽度のうつ状態や慢性疲労というケースもあるので、まずはしっかり休んでください。
② 本当に“仕事そのもの”が嫌なのか?
「仕事が嫌だ」と思っていても、よく考えると
- ノルマや納期がプレッシャー
- 通勤や時間拘束がつらい
- 評価・比較に疲れた
…といった「働き方や環境」が原因なことも多いです。
仕事内容そのものが好き・得意なら、職場を変える or 働き方を変えるという方法もあります。
③ 人間関係が原因じゃない?
上司・同僚・お客さんとの関係がストレスになっているケースも非常に多いです。
- 職場の空気がピリピリしている
- 雑談や飲み会が苦手
- 叱責・マウント・嫌味で消耗している
この場合は、仕事内容よりも「人間関係の距離感」を変えることで改善されることも。
たとえば、在宅勤務・転職・部署異動・派遣への切り替えなども、立派な対処法です。
④ お金は足りてる?逃げる“余力”はある?
「逃げたいけど、辞めたらお金がなくなる」という不安もよく聞きます。
まずは、ざっくり家計を確認してみてください。
- 生活費はいくら必要?
- 手元にある貯金は?
- 実家やパートナーの支援は可能?
1ヶ月休んでも耐えられるなら、それだけでも「逃げる猶予」があるということ。
生活保護・失業手当・家賃補助など、公的制度も選択肢に入れていいと思います。
✔ 心・体・お金・仕事・人間関係──
全部いっしょに抱えなくて大丈夫。
ひとつずつ分けて、丁寧に片付けていく。
それだけで、きっと気持ちが軽くなるはずです。
逃げるのは“放棄”じゃない|にげログ的・静かな解決法
「逃げたら負け」「辞めたら終わり」──そんな言葉をよく聞くけれど、それは違う。
ちゃんと逃げることは、“次のステップに向けた調整”でもあると、にげログは考えています。
ここでは、状況別に考えられる“静かな解決方法”を紹介します。
① 一旦「距離を取る」だけでもいい
退職しなくても、逃げることはできます。
有給休暇や病休を使って1週間だけ完全オフ
在宅勤務や時短勤務でペースダウン
シェアハウス・ホテル住まいで環境を変える
物理的・心理的に距離を置くことで、「まだ動けるかも」と思える余白が生まれます。
② 完全に離れる|退職や休職も選択肢
「もう限界」「このまま続けたら壊れる」──そう感じたら、きっぱり離れるのも正解です。
退職代行サービスを使えば、人間関係を挟まずに手続き可能
診断書をもらって休職し、数ヶ月休むという道も
雇用保険(失業手当)や傷病手当金など、使える制度は多い
辞めること=負けではなく、「人生を立て直すための一時停止」です。
③ 少しだけ働く/新しい仕事の形を探す
フルタイム・正社員に戻らなくても、生きていける方法はあります。
Uber Eats・配達・短時間バイトで“少しだけ働く”
クラウドワークス・ライター・ブログなど、自宅で完結できる副業
生活費を下げて、労働を最小限にする暮らし方もある
「ちゃんと働かなきゃ」を手放して、自分に合った働き方を探す。それも立派な“再構築”です。
逃げることは、前に進むための準備。
逃げ方はいろいろあるけど、どれも「生きるための正解」です。
にげログでは、これからも「静かに逃げる」選択肢を紹介していきます。
にげログ的まとめ|甘えじゃなく、静かなサバイバル
ボクらは「逃げるな」「甘えるな」と育てられてきた。
でも本当は、「ちゃんと逃げること」は生きるための戦略だ。
働きたくないと思ったときは、
- 本当に疲れていないか?
- 心が限界を訴えていないか?
- 少し距離を置けば回復できるのか?
を見極めるタイミングだと思う。
全部を投げ出さなくてもいい。少しだけ逃げて、休んで、整えて、また始める。
その繰り返しでも、生きていける。
にげログは、「逃げること=甘え」じゃないということを、これからも伝えていきたい。